新規就農で未来をつくる!農業で貢献するSDGs

「自然の中で働きたい」「食を通して社会に貢献したい」そんな想いを持つあなたへ。
農業は、私たちの生活に欠かせない「食」を支えるだけでなく、地球全体の持続可能な未来をつくる「SDGs」に深く貢献できる、やりがいに満ちた仕事です。

ここでは、農業に参入することで、具体的にSDGsのどの目標に、どのように貢献できるのかをご紹介します。

貢献できるSDGs目標

農業は、以下の4つのSDGs目標達成に大きく貢献できます。

  • 目標2:飢餓をゼロに
  • 目標8:働きがいも 経済成長も
  • 目標9:産業と技術革新の基盤をつくろう
  • 目標12:つくる責任 つかう責任
  • 目標13:気候変動に具体的な対策を
  • 目標15:陸の豊かさも守ろう

目標2:飢餓をゼロに

「安全で栄養価の高い食料を、すべての人に。」
農業の最も基本的で重要な役割は、食料を生産し、人々の命と健康を支えることです。
あなたが農業を始めることは、この目標に直接的に貢献します。

  • 食料の安定供給: あなたが丹精込めて育てた作物が、地域の食卓に並び、人々の健康な暮らしを支えます。新鮮で安全な食料を地域に供給することは、食料安全保障の第一歩です。
  • 持続可能な農業: スマート農業技術の導入による生産性の向上や、環境への負荷が少ない有機農業の実践は、将来にわたって安定的に食料を供給し続けるために不可欠です。

<アクションの例>
✅ 地域で需要の高い作物や、栄養価の高い野菜を栽培する。
✅ 直売所や学校給食などを通じて、地域に新鮮な食材を届ける。

目標12:つくる責任 つかう責任

「資源を大切にし、無駄なく生産・消費する。」
持続可能な農業は、資源を賢く使い、環境への負荷を最小限に抑えることが求められます。生産者として、この目標に大きく貢献できます。

  • フードロスの削減: 形が不揃いなどの理由で市場に出回らない「規格外野菜」。これらを加工品にしたり、ジュースやジャムにしたりすることで、新たな価値を生み出し、食品ロスを減らすことができます。
  • 循環型農業の実践: 家畜の糞尿や作物残渣から堆肥を作り、化学肥料の使用を減らす。地域の食品廃棄物を堆肥化して活用するなど、資源を地域内で循環させる取り組みは、環境負荷を低減します。

<アクションの例>
✅ 規格外作物を活用した加工品開発・販売を行う。
✅ 地域の資源(堆肥、米ぬか等)を活用して土づくりを行う。
✅ 節水技術やエネルギー効率の良い農業機械を導入する。

目標13:気候変動に具体的な対策を

「気候変動から地球を守る。」
農業は気候変動の影響を大きく受ける一方で、その対策にも貢献できる大きな可能性を秘めています。

  • 炭素の貯留: 健康な土壌は、大気中の二酸化炭素を吸収し、炭素として蓄える「炭素貯留」の役割を果たします。不耕起栽培や草生栽培(カバークロップ)といった農法は、土壌の炭素貯留能力を高めます。
  • 温室効果ガスの削減: 農地からのメタンや一酸化二窒素といった温室効果ガスの発生を抑える農法(水田の水管理など)や、再生可能エネルギーの活用は、気候変動の緩和に直接つながります。

<アクションの例>
✅ 緑肥や堆肥を使って、炭素を多く含む豊かな土壌を作る。
✅ 太陽光発電などを活用し、農業ハウスなどで使用するエネルギーを賄う。
✅ 気候変動に対応した品種(高温に強い、乾燥に強いなど)を導入する。

目標15:陸の豊かさも守ろう

「多様な生き物たちが暮らす、豊かな自然を守る。」
農地は生産の場であると同時に、多くの生き物のすみかでもあります。生物多様性に配慮した農業は、豊かな生態系を守り育みます。

  • 生物多様性の保全: 農薬や化学肥料の使用を減らすことで、土壌中の微生物や昆虫、鳥類など、多様な生き物が共存できる環境が生まれます。これらの生き物は、害虫を食べる、受粉を助けるなど、農業にとっても良い影響をもたらしてくれます。
  • 健全な生態系の維持: 田んぼや畑の周りに、生き物の通り道となる草地(ビオトープ)を残したり、在来種を栽培したりすることは、地域の生態系ネットワークを守る上で非常に重要です。

<アクションの例>
✅ 減農薬・減化学肥料栽培に取り組む。
✅ 畑の周りに多様な草花を残し、昆虫や鳥が集まる環境を作る。
✅ 在来種の野菜や果樹を栽培し、遺伝的多様性を守る。

目標8:働きがいも 経済成長も

「地域とともに成長し、いきいきと働ける環境を。」
農業は、地域の経済や雇用を支える重要な産業です。
新たに就農する人が増えることで、地域に活気が生まれ、多様な人々が力を発揮できる職場づくりにつながります。

  • 地域雇用の創出: 高齢者・女性・障がいのある方など、さまざまな人が活躍できる場を広げることが、地域全体の豊かさを生み出します。
  • 持続可能な働き方: スマート農業や省力化機械の導入により、身体への負担を減らしながら、効率的でやりがいのある仕事環境を整えます。

<アクションの例>
多様な人材が参加できる農場運営を行う。
✅ 地域イベントや農業体験を通じて、若い世代の就農意欲を高める。

目標9:産業と技術革新の基盤をつくろう

「技術の力で、未来の農業を支える。」
農業は今、IoT・AI・データ分析などの技術革新によって大きく変わろうとしています。
新しい技術を積極的に取り入れることで、持続可能で強い農業を実現します。

  • スマート農業の推進: センサーやドローンを使った栽培管理で、生産効率や品質を向上。
  • 農業機械や施設の効率化: 自動化機器や環境制御システムの導入により、省エネルギーで安定した生産を実現します。
  • 地域産業との連携: 機械メーカーや大学との協力により、より良い設備や技術が生まれます。

<アクションの例>
✅ ICTを活用して気温や土壌データを記録し、最適な栽培管理を行う。
✅ 自動潅水システムや省電力型ハウス設備などを導入し、エネルギー効率を高める。
✅ 地元企業と連携し、環境負荷の少ない資材や装置を共同開発する。

農業という選択が、未来を変える力になる。

農業への参入は、単に作物を育てるだけではありません。
飢餓をなくし、資源を守り、気候変動を食い止め、豊かな自然を次世代に引き継ぐ。
そんな大きな使命と可能性に満ちています。

あなたも農業を通じて、持続可能な未来の担い手になりませんか?